NTTドコモTOBは儲かるの?

株式

 2020年9月29日に日付が変わったころに突如、NTTによるドコモTOBの可能性が報じられました。その瞬間ADRでは3,400円位まで買い上げられていましたが、その水準ではいくらでも買える状態だったのです。この時はまだTOB価格が発表されていたわけではなく、買付け総額が4兆円規模になるとの憶測だけが報道されていました。実はこの4兆円からTOB価格がある程度予想出来たのです。
 ドコモの発行済株式株式総数は3,228,629,406株、自己株式が150株ありますので実際は3,228,629,256株になります。そこからNTTの所有分2,137,733,200株を控除すると買付対象は1,090,896,056株になるのです。4兆円を1,090,896,056株で割るとTOB価格は3,667円程度になることを瞬時に計算すべきでした。

 9/29のザラ場には発表はなく、発表はあったのは大引け後の15時15分でした。9/29のS高が3,213円だったのでTOB価格を素早く予想し、すぐに比例狙いで注文出せばかなりの枚数を確保出来たはずです。事実、この日の出来高は2,252,300株とかなり多く取得は容易でした。この日に取得していれば1枚に当たり68,700円の利益になりますので比例に並ばなかったことは後悔しかありません。

 9/30は3,894円で寄り付き、高値3,895円までありました。しかしその後は3,877円前後の株価で推移する展開になっています。

 

条件を理解しよう

TOB価格3,900円
買付け等の期間2020年9月30日(水)~2020年11月16日(月) 33営業日
決済の開始日2020年11月24日(火)
買付予定数1,090,896,056株
上限なし
下限14,686,300株
二段階買収あり
証券会社三菱UFJモルガン・スタンレー証券
(auカブコム証券は対象外)

 

TOBは成立するのか?

 個人的には99.999%の確率で成功すると思います。理由は公開買付者であるNTTが66.2%を保有しており、あとわずか0.45%を取得すれば成立してしまうのです。ちょっとお金持ちの個人が買って申し込むだけでも成立するので応募が下限に届かないということはまず無いでしょう。
 次に何らかの規制で国からSTOPがかかる可能性ですが、NTTの筆頭株主が財務大臣になっていることから、こちらも既にクリアになっていることが予想されます。
 では残り0.001%は何かと言うと、天変地異でNTTやドコモの事業が継続できないほどの事が起きる可能性です。もしそのような事が起きれば当然中止になり株価は大暴落することになります。

 

取るべき戦略

 この記事を書いている10/14の終値は3,878円でサヤが22円あります。利回り0.567%、決済日まで41日ありますので年利は5.05%になります。
 99.999%成立する可能性があると予想していますので、余剰資金があれば出来るだけ参加するのが合理的な判断だと思います。しかし全力で参加することはオススメしません。億が一の可能性で中止になればTOB発表前の2,775円付近まで下落する可能性が高いです。そうすると1枚で▲11万円位の損失が発生しますので、そのような事態になっても生き残れる量で参加すべきです。

 

まとめ

 10月・11月は優待クロスに資金をあまり必要とせず、個人投資家でも資金が余りがちになっています。このような時期にほぼ確実に成立して年利5%を超えるような案件はなかなかありません。自身の資金力と相談しながら上手く市場からお金をもらっていくのが賢い選択だと私は考えています。

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